BRASS SMILE AND TEARS

	ブラス司会者が綴る コトブキ日和

突然の告白ですが…
私はきっとファザコンです。

それはきっと昔も今も。
小さい頃から、
怒ると怖いのは母より父でしたが、
甘やかしてくれていたのも母より父でした。

お出かけした時、内緒でお菓子を買ってくれたり、
週末は必ず父と公園へ行きました。
夜、眠る時も父と一緒でした。

大人になってからも、
二人で映画に行ったり、
京都へ紅葉を見に行ったこともありました。
会社役員をしていた父は、
知識も豊富で、社会のことをたくさん知っていて、
仕事の相談も、大切なことを決める時も
必ず父にしていました。

こうして書いてみると
正真正銘のファザコンです 笑。
とは言いつつも、
言葉や態度で愛情表現を
常日頃からしているわけでもなく、
口には出さないけど…的な
日本人によくある、
一般的な家庭の、感じです。

そんな私の、結婚式での
家族との忘れられないシーンがあります。

パーティのクライマックス、
花束贈呈のシーンです。

司会者としても
いつも目にしていました。
感謝を綴ったお手紙を読んで、
しっとりとした曲が流れて、
お花を渡す時、ハグ。
親御さんとぎゅっと抱き合ってる姿を見て
こちらも思わず泣いてしまうことも
何度もありました。

さて。我が家の場合。
お花を渡して、
ぎゅーっとハグ…
なんてできれば良かったんですが、
それはやっぱり照れくさい。
握手を交わすのが精一杯でした。
その辺が、表現下手の
我が家らしいところです。。

でも、その時に交わした
父の手の力強さや体温、
今まで一度も見たことのなかった表情、
細かな感覚まで
今でもはっきりと覚えています。
精一杯の握手だからこそ、
忘れられないシーンです。


何年経っても、忘れらないシーンが
結婚式にはたくさんあると思います。
お二人の心の中に、
この先ずっと残り続ける瞬間に
立ち合わせていただくんだという気持ちで、
これからもマイクを握ります。


若杉