BRASS SMILE AND TEARS

	ブラス司会者が綴る コトブキ日和

「結婚式の主役は花嫁さんだ」
そんな言葉をよく聞きます。
確かに、当日着るドレスから始まり、
手にするブーケ、髪型、メイク、アクセサリー、
新郎様より、多くの事を頭に描き、
ご結婚式の準備にあたられる新婦様は
多くいらっしゃるのかもしれません。


先日の、ご家族だけのご結婚式でのお話。
ご両家のお父さま、お母さま、
ごきょうだいだけのご結婚式と、お披露目会。

お披露目会では、ご両家で一つのテーブルを囲み、
お食事をし、会話を弾ませながら、
ケーキセレモニーやお色直しもある一日。

結びのお時間が近づいた時、
お集まりの皆さんにマイクを向けて
お言葉をいただく「インタビュータイム」
その日の乾杯は、新郎のお父さま。
乾杯の際にもきちんとご挨拶くださった
お父さまでしたが、
その日、そばから拝見していて、
新婦家の皆さんに話題を投げかけ、
皆さんを笑わせ楽しませてくださる
とてもお話がお好きな明るいお父さまで、

インタビュータイムで、改めて、
お父さまからおふたりにお言葉を頂きたい、と
マイクを向けてお話を伺いました。

そこで、新郎のお父さまは、

「いやぁ、息子の結婚式で
こんなに感動するとはね、
僕は思ってなかったよ」

目に涙を浮かべ、そうお話になりました。



“結婚式の主役は花嫁さん”
そうかもしれませんが、やはり、
そうではないのかもしれません。

育ててくれた親御様、
一緒に育ってきたごきょうだい、
ふたりを囲うゲストがいる限り、
やっぱり、主役は、ふたりだな

そんなことを、改めて感じました。

そして、いつか、
自分の愛息子が結婚する日が来たら、
母の日にお手紙をくれた愛息子が
大切にしたい女性と出会い
生きていく日が来たら…
(主役のふたりの結婚を心から祝い、
結婚式でハグしてもらえるお母さんでいよう)
そんな夢を胸に(こっそり)留めました。



ご結婚式を控える新郎様も新婦様も
そのご家族も
皆が心から楽しめて素直な気持ちで過ごせる
そんなウェディングのお手伝いを、
この春も心して務めていきます。


馬場 じゅんこ