BRASS SMILE AND TEARS

	ブラス司会者が綴る コトブキ日和

踏み出せない その想いをも

こんにちは。秋大好きの馬場です。
「肌寒い」という久しぶりの感想を
厚手のくつしたを履きながら噛み締めています。
体調管理に一層気を付けたいものです。


さて、先日の結婚式で
とても心に残る時間がありました。

人前式の入場、ヴァージンロードを
新婦とお父さまが2人で歩く時の事でした。
リハーサルでのお父さまは
少しおどけたりもしながら、
笑いに包まれつつとても和やかなご様子で。

本番、いざ、新婦と歩き出そうという瞬間に
お父さまは、歩き出すことができず
最初の一歩を踏み出せず…
となりで腕を組んでる新婦さまも
すぐお父さまの様子に気づいている様子で、
それは
娘を想う父の涙と想いがあふれて
“ 踏み出せない ” そんな様子でした。

きっと時間にしたら、30秒くらいでしょうか。
そこにいるスタッフも ゲストの皆さんも、
お父さまの想いに心を寄せ、誰もが
歩き出すのを待ち望んでるでもなく
お父さまの想いを受けとめている
そんな時間でした。

司会者として、何か言うべきか
歩き出せないお父さまをフォローするために
何か言葉を発するべきか、その一瞬、悩みましたが、
何も言わず、ただその時間を
ゲストの皆さんと一緒に見守らせて頂きました。

ほどなく、お父さまは涙を拭いながら
決したお顔で新婦さまとともに歩み出し、
その後、新郎に娘を託す前にも立ちどまり
娘のことを抱きしめ、優しく頭を撫で…
その時間は
誰もが拍手をする事も忘れるくらい
父親から娘への、まっすぐな想いを伝えている
そんな時間でした。
どれもリハーサルで特に何も伝えていなかった事で、
お父さまが お父さまなりに
きっと自然とされた振る舞いでした。

“結婚式は想いを素直に伝える場であってほしい”
結婚式に関わらせていただく一人として
深くそう感じ、胸を打たれたシーンでした。



ブライダルは秋の繁忙期が始まっています。
毎週末、たくさんの新郎新婦さまと
その大切なゲストとお会いできることを楽しみに
そして、司会者にできることを真摯に務めていきます。

馬場




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